古代中国から現代日本に至るまでの幅広い事例について、古典の活用法を紹介されています。
1.人相篇―強烈な個性をはなつ異相の人物
2.言葉篇―ことばは、過信することなく重んじる
3.真偽篇―真偽を正しく知るは大いなる力
4.才能篇―”努力し得る”才能こそ天才の本質
5.命名篇―時間と、人に対する命名
6.創造篇―創造力を支える実見・実用
7.教育篇―教育により人は立つことを得る
8.死生篇―平安な時にそなえあって天命に耐える
9.父子篇―先達である父の教えは道理にかなう
10.人材篇―人材の登用が明暗を分ける
11.先覚者篇―非凡を転じて先覚者となる
12.哲理篇―正しい生き方の知恵
13.貧富篇―謙虚にして富のなんたるかを知る
14.信用篇―窮地から救ってくれるものは信用
15.観察篇―観察眼なしに人は動かせない
日本の元号について「5.命名篇;p90〜p93」に書かれています。
全文は長いので要点を以下に書いてみます。
明治と大正の元号は、いずれも典拠は『易経』である。
【聖人南面して天下を聴き、「明」にむかいて「治」むる】
【「大」いに亨(とお)るに「正」を以てす、天の道なり】
「大正」はそのあとにつづく文が問題で、「八月に至りて凶あり」とある。大正年間の八月に凶変はあったかと言えば、大正十二年九月一日に関東大震災があったが、旧暦ならば八月中におこったことになる。
そうすると、大正という元号はいみじくもこの大災害を予言したことになる。ここが『易経』という書物の恐ろしさとすばらしさであるが、元号選定にあたった人たちが悪いというより、むしろ逆である。かれらは古代中国で占いをつかさどった官人のように、天意をきいたことになり、人々に大災害のあることを警告する役目を、無意識ではあったろうが、担ったのだとさえおもわれてくる。
昭和の元号は『書経(尚書)』のなかにある「堯(ぎょう)典」の、
【百姓(ひゃくせい)「昭」明なり。万邦を協「和」せしむ】
という文からとられた。
さて、平成の元号から何を予見できるだろうか。
【地「平」らぎ天「成」り、六府三事、允(まこと)に治まる。】
これが『書経(尚書)』の「大禹謨(うぼ)」にある文である。
さらに『史記』の「五帝本紀」から舜の業績をほめた部分である
【父は義、母は慈、兄は友、弟は恭、子は孝、内「平」らかに外「成」る】
の文が引かれている。
両書ともに、元号がとられた文節の前後に不吉な語句はない。ただひとつの懸念があるとすれば、舜も禹も水に苦しめられた王であるということだけである。
「人名にもちいてはならない五つの名字」では「美」という漢字に注意を喚起したいと書かれています。
「羊」に「大」であり、いけにえ&六畜名にはいるということです。
「12.哲理篇」には以下のような文があります(p201〜)。
新国家は元首が二代、三代と継体するにつれて隆盛をつづけ、四代ともなればすでに政体としては最盛をすぎたと考えられる。ただしその最盛はややおくれて民間に反映し、六十年を境に衰退してゆく。
そうした盛衰の図式を今後にあてはめてみれば、第二次世界大戦を再出発点とした日本の、政治と経済をふくめた幸福な時間というのは、西暦二千五年までであり、それ以降の頽落(たいらく)の影がしだいに色濃くあらわれてくるのはやむをえない。
これは歴史の力学であり、時の重力である。
大地震による津波、台風、地球温暖化による水位上昇など、これから水による災害が増えてくるのかもしれませんが、いずれにしても「時の重力」による変革の力が強まってくるのは必然ですね。
上記以外にも、人物観察やお金に関することなど、興味深い内容がたくさんありました。
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